雑誌の電子化とビジネスモデルの転換

ipad,kindleなどの登場により雑誌業界は大きな転換期ではないかと思う。単行本は本一冊でいくらの売上といくらの利益というのが決まってくる。何万部売れれば、印税、印刷代等が何%で、利益はいくらと計算できる。しかし雑誌の場合、何%が利益とはいかない。本の売上と合わせて広告費用とい
うのがおおきな収益源であるから。
今始まろうとしている電子書籍の波は、この広告モデルを大きく変えようとしていると思う。
紙の場合、表紙と同時に裏表紙が生まれる。ここは広告に取っては大きな枠。
しかし、電子化すると裏表紙というものがない。また、見開きというのも物理的に生まれたものだが、電子化されるとなくなってしまう。例えば100ページの雑誌があれば、50,51ページは見開きになるので大口の広告を取れるが、電子雑誌でもし同じようにこのページに広告を入れても、読者としては唐突な感じだし、多くの場合インデックスから読みたい記事だけ読めば、空白の見開きページは読み飛ばされる可能性がある。つまり、紙もしくは紙を束ねた雑誌であるからこそあった広告枠が電子化によって消え去ってしまう訳である。

ただ、電子化によって新しい広告の形も生まれる。紙がネットに広告を奪われた大きな要因。それは広告の費用対効果。
現在のマーケティングはどれだけお金をかけて、どれだけの収益が上がったかの費用対効果を必須とする。費用対効果の算出できない雑誌に20万のお金をかけるより、1000万のお金をかけて2000万の売上を上げる方にマーケティングは動く。
金額よりもその効果を重視する傾向がある。雑誌の電子化によってこの費用対効果が見えてくる。appleもここを狙っている。iAdである。ただし、iAdによって雑誌社は広告収益をappleに任せることになる。広告の40%をappleに抜かれてしまう。色々なプレーヤーがそれぞれの思惑で雑誌の新しいビジネスを狙っている。チャンスは今。