DSP,AdExchange,DataExchange,RTB アメリカにおけるネット広告の変化

FaceBook,Google,Admob,Youtube
アメリカのネットバブルはその投資資金によってもたらされている
なぜこれらのサイトは無料であるにも関わらず莫大な利益をあげられるのか?
なぜまだ未知のスタートアップに大量の資金が流れ込むのか?
そこにはアメリカのネット広告の革命がある。
そのネット広告の革命をみていきたい。

Ad exchange,DSP,Data exchanger,RTB,SSP
今ネット広告は凄く進化している。
日本のネット広告といえば、
広告代理店がいて、レップがいて、媒体がいて、クライアントから媒体へお金が流れていく。
レップが媒体の枠を期間で押さえて、クライアントのニーズに合わせて規模で面を押さえていく。
ここに広告の質より量の理論が優先される。ある意味クライアントと代理店の「まぁ、今回も
これくらいの予算でこれくらい取りたいからいつもの感じでよろしく」ってな具合。
代理店の営業マンはノルマを達成するために質より量を売りさばく。
以下はある某エステ会社のマーケ担当と広告代理店の商談の一シーン
エステ会社は新年度、ネットを使って新たに2000人の資料請求を計画し、その中から電話メール
を使って600人の新規顧客を獲得しようと計画している。

クライアント:今度のキャンペーンで資料請求2000人分集めたいんだけど。
代理店:女性向けポータルAは会員数100万人で、想定CTRが5%で約50,000クリックが予想されます。
ここのコンバージョンレート(CVR)は媒体資料から約1%となっていまして、想定500人の資料請求が想定されます。
内容としてはTOPページバナーとメール配信100万通をそれぞれのサイトで行います。
ここと同様のポータルを利用して4サイトから2,000人を集めます。
金額的にはTOPバナーが1週間、500万になります。
メールは@1円で100万通で100万。
合計で600万になり合計は
600万x4=2,400万
になります。
4月の頭から一ヶ月間これらの媒体を押さえます。
一人当たりの獲得単価は\24,000,000/2,000=@\12,000になります。
クライアント:そうか、予算的には2000万で押さえたいんだけど。
代理店:そうですか、では次回もお願いできるということであれば、お値引きで400万引いて丁度2000万でいかがでしょうか?
クライアント:あぁ、いいね。また次も頼むよ。

実際にクライアントとしては、一人当たりのARPUが10万として、200人を会員にできればトントン
2000人の資料請求があれば、そのデータを元に30%を会員にできる腹づもりがあるので、
2000x0.3x10万=6,000万
ROIとして2,000万の投資に対して6,000万のリターンがあるとみれば4,000万の黒字となる

クライアントも代理店もお互いメリットのある話...に見える。
ただ、ここで問題なのはポータルAの想定CTRとCVR
売り買いされているのは媒体のそれもTOPページの枠とメールの枠
ここにアクセスする会員を一様におしなべてしまっているのが今のネット広告
もし、このサイトの中でエステの購買意欲の高い会員だけにバナー表示できたら。
そして、サイトという枠を外して、購買意欲のある人にだけ利用するサイトでバナー表示できたら。
今までの人力広告ではこれが限界だった。しかし、ユーザの行動ターゲティングSNSなどの
ソーシャルグラフからユーザの行動履歴などからユーザ個人の購買意欲が計れるようになってきた。
こういうユーザの情報を元に、そのユーザへのリーチの可能性のあるバナーをあたかも株取引のように
オープン化された市場で売り買いする仕組みが今アメリカでは盛んになっている。

この仕組みではクライアントは代理店を通さず、株取引同様入札できる仕組みを使って有効なユーザ
(オーディエンス)のアクセスを買う
そのために
・売買可能なバナーを取引市場に放り込む(Ad Exchanger)
・各オーディエンスの行動履歴から目的とするオーディエンスを探す
・オーディエンスのアクセスをリアルタイムで競売する(RTB)
・複数のAd Exchangerの中からダッシュボードで売り買いする(DSP)
が存在し、これまで
・クライアント(Advertiser)
・代理店(Agent)
・Ad Network
・媒体(Publisher)
といったシンプルなしかも人力なシステムから
・Advertiser
・Agent
DSP(Demand Side Platform)
・Ad Exchanger
・Data Exchanger
SSP(Supply-Side Platform)
・Publisher
・Audience
の5段、6段と複雑な取引を行うことになる。
面ではなくオーディエンス個人のアクセスを買う仕組みへと変化している
そして、これまで媒体までしか情報として組み込まれていなかった枠組みに
「オーディエンス」という枠組み(情報)が組み込まれていることが大きな違いでもある。